高齢妊娠とprovocative thinking(1)

高齢妊娠とprovocative thinking(1)

医師の船曳美也子です。

今年の日本医師会雑誌1月号は『妊娠女性の高年齢化と周産期に増えるリスク』というテーマでした。
内容は、

  • 雇用機会均等法の影響もあり女性の社会進出がすすんでいる。
  • 女性がバリバリ仕事しながら結婚も子育てもできる環境
    (社会整備上も、雰囲気的にも)がない。
  • 日本は婚外子が少ない、つまり、結婚してからでないと子供を作らない傾向が強い。
  • 以上より、初婚年齢が高まり、いきおい、初産年齢もあがる。
    挙児希望(子どもをもちたいと思う)時期もおそくなる。
  • 不妊症や流産の確率は、年齢とともに上昇する。
  • 自然周期では、妊孕能(妊娠する力)は、女性は20歳代後半より男性では40歳代より低下する。
    (統計で)体外受精では、20代で30%だが40代で10%以下になる。
  • 45歳の自然妊娠などが、マスコミでとりあげられたりするので、加齢による妊孕力の低下に対する一般の理解が少ない。
  • 他科の医師も同様で、内科や精神科の治療を優先するあまり、年齢や不妊に対する配慮がない。

結論は『こどもがほしいと思うかたは、躊躇せず、不妊治療を開始せよ!』
(ここまではっきり書いていませんが。)

外来で、35歳、結婚数ヶ月で、卵管が片方つまっており、ご主人の精子もすこし少なめ、という方に、年齢含めて体外受精も十分適応なので、早めに考えましょう。というと、

A) 『すぐお願いします。』 とおっしゃるかたと、
B) 『まだいいです。』 とおっしゃるかたと、いらっしゃいます。

論理的思考をすると、少しでも確率を高めるためには A) が正解です。
でも、B) の気持ちもよくわかりますし、ご夫婦の考え方が一番だと考えています。

ただ、情報不足や理解不足のため、あとで後悔させてはいけない、と思うので、スタッフからもいろいろ説明させていただき、理解したうえで治療をしていただくように心がけています。