宗教

宗教

理事長の中村嘉孝です。

そもそも、ホメオパシーは一種の宗教といえます。
だとすれば、宗教そのものについて批判しなければ、根本的な解決とはなりません。

他にも、奇妙な信念に基づいて現代医学を否定する宗教はいくらでもあります。
にもかかわらず、なぜ日本学術会議は、宗教を「荒唐無稽」と非難しないのでしょう。

『利己的な遺伝子』で知られるリチャード・ドーキンスは、『神は妄想である』という本を書き、その中で次のように憤っています。

「十九世紀は、学識ある人間にとって、処女懐胎のような奇跡を困惑なしに信じるという態度を受け入れることができた、最後の時代だったのだ。問い詰められると、多くの学識あるキリスト教徒は、今日でもあまりも誠実なために、処女懐胎や復活を否定しない。
しかし、困惑はおぼえる。なぜなら、彼らの精神はそれが馬鹿げていることを知っているからである。だから、尋ねてほしくないということになるのだ。だから、私のような人間がこの問いを執拗につづければ、私のほうが『十九世紀的』だと非難されることになる。考えてみればわかるように、実際、まったくおかしな話である。」(垂水雄二訳)

全編にわたって憤懣やる方ないといった感じで、「まあ、カリカリせずに一杯どうですか?」といいたくなりますが、日本語版の帯にも「あのドーキンスが、なぜここまで、むきになるのか?」と書かれてしまっています。