第58回日本卵子学会学術集会に参加しました

第58回日本卵子学会学術集会に参加しました

こんにちは、培養士の高野です。

沖縄の宜野湾市で開催された第58回日本卵子学会学術集会に参加してきました。
当院からは「ARTにおける精子洗浄法の比較」という演題を発表しました。

質疑応答では他院の培養士さんやドクターから質問を受け、有意義なディスカッションを行なうことが出来ました。
国内外で年に何度かある学会発表ですが、その際にはドクターや培養士が何名か参加し常に新しい情報を収集したりしています。このような機会があることで、いち早く患者様に最先端の治療を提供できるようになり、とても重要な場であると考えています。

今回の発表で印象に残っている発表を1つご紹介します。sERC由来胚の臨床成績についての発表です。

sERCとはsmooth endoplasmic reticulum clusterのことで、卵細胞質内に時折観察される構造のことです。
一部の発表ではsERCを有する卵子を受精させ移植した場合に、胎児異常の割合が高くなるといわれています。逆に、胎児異常、受精率等に差はないという発表も出ており、今回の発表も後者の結果になっていました。

sERCに関する発表は多々ありますが、取り扱いについての結論は出ていないのが現状です。
sERC由来胚は移植しないという施設もあるかと思いますが、sERCがあるから100%胎児奇形というわけではなく90%以上は健常児で生まれる為、その卵を移植の対象から外し破棄するというのも早計であるようにも思います。
健常児も多く生まれているsERC由来胚であり、異常の可能性を限りなく0に近づけるか、健常児が生まれてくる可能性が0でないなら移植するのか、どの可能性を重要視するかというのはとても難しい選択かと思います。

今回ご紹介したsERCに限らず、様々なリスク等を理解した上で治療に望んで頂けるような説明をし、不安を少しでも解消することも私たちスタッフに求められていることなのだと改めて感じました。

技術のみならず、説明等でも患者様に安心していただけるよう、日々新しい情報をキャッチできるアンテナを張っていようと思います。