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Vol.14 (発行:2017年5月15日)

学会情報

オーク会は、不妊治療における最新の情報や技術を得るとともに、当院での研究成果を発表するため、国内外で行われる学会に積極的に参加しています。

第69 回日本産科婦人科学会学術講演会

第69 回日本産科婦人科学会学術講演会: 2017年4月13~16日

「Case report: The occurrence of multinucleated embryos after intra-cytoplasmic sperm injection (ICSI) treatment may be prevented by the administration of prednisolone」

症例報告:顕微授精後の多核受精卵の発生が、プレドニゾロンの投与によって防げるかもしれない。

(Taguchi S, Funabiki M, Hayashi T, Tada Y, Iwaki Y, Karita M, Nakamura Y)

院内勉強会

採卵周期に使用するhCG製剤皮下注シリンジの説明会が行われました。:2017年3月1日

採卵周期に使用するhCG製剤皮下注シリンジの説明会

排卵誘発のトリガーとして使用されているhCG製剤の自己注射用シリンジの説明会が行われました。
海外では十分に実績のある製品で、日本では昨年9月に厚生労働省の承認がおりました。

この製品を導入すると、採卵2日前の夜に来院していただいて行っていた注射を、ご自宅で行っていただくことができるようになります。
薬剤があらかじめ針付きのシリンジに入っているため、操作も行っていただきやすい製品です。

オーク会では、試験的にオーク住吉産婦人科で導入を行っております。

オーク会不妊ブログより(抜粋)

奇形精子

外来で精液検査の結果を説明するときに、精液の量、精子の数、精子の運動率とともに精子の正常率形態の話をします。
精子の正常形態率はわかりやすくいうと奇形精子の割合になります。
WHOの基準では、以前は15%以上でしたが、最近は精子の正常形態率が5%までが正常であるとの診断に変わってきています。

奇形精子を使うと奇形児が生まれるのですか」との質問が出るのですがそれは違いますと説明します。
奇形精子は精子の形の異常であって、本当に胎児の異常に関係する染色体の異常を表しているわけではないのです。
ただし、児が男の子の場合は、父親の形質を受け継ぐことから、子供に奇形精子症を受け継ぐことはあります。
もちろん顕微授精などで精子を選ぶ場合は正常形態のものを選んで行うのですが、そのような精子が確認できないような奇形精子症(正常の形態精子がいないような場合)でも、ICSIで妊娠、出産まで行きます。
それを裏付ける論文が発表されました。

Hum Reprod. 2016 Jun;31(6):1164-72. doi: 10.1093/humrep/dew083. Epub 2016 Apr 19.*Patients with multiple morphological abnormalities of the sperm flagella due to DNAH1 mutations have a good prognosis following intracytoplasmic sperm injection.*

精子の形態異常については頭部の異常、首部の異常、尾部の異常がありますが、この論文では精子の鞭毛(尾部)に異常のあるものについて検討しています。
一部の染色体異常については、有意に高いものもありましたが、有意差の無いものも多くありました。
DNAの損傷も正常精子に比べて高くなく、全受精率、妊娠率、分娩率は70.8%、50.0%、37.5%で正常コントロール郡に比べて、優位な統計差はなかったと報告しています。

患者様からのお便り

なかなか赤ちゃんが授からず、病院を転々とし、結婚7年目に貴院で初めての体外受精で1人目が授かり、その子が1才になって2人目の治療を始めました。
1人目を授かるのに7年かかった上に経済的にも不安は大きく、2人も子供を望むのは贅沢かと思いながらの治療でしたが、治療開始から4ヶ月で2人目が授かりました。
今は、2歳8ヶ月と7ヶ月です。
毎日時間に追われ、子育ては大変なんだと実感できましたが、治療中の私からは想像も出来ないくらい幸せな毎日です。

貴院に出会えたことが私の幸せの始まりの様な気がしています。ありがとうございました。

不妊に関する主なニュース

受精卵のゲノム編集禁止へ 厚労省が指針見直し検討(4/12)

厚生労働省は12日、生物のゲノム(全遺伝情報)を自由に改変できる新技術「ゲノム編集」を使って病気の遺伝子を治したヒトの受精卵を子宮に戻す臨床研究を禁止するため、遺伝子治療に関する指針を見直す検討に入った。
現行の指針では、受精卵に別の遺伝子を導入するなどして改変することは禁止されている。しかし、たんぱく質などを投与して改変するゲノム編集に関しては規定がない。

ヒトの受精卵へのゲノム編集については、政府の生命倫理調査会が昨年、治療法のない病気治療のための基礎研究に限って実施を容認した。

しかし、受精卵を女性の体に移植する臨床応用については禁止している。
厚労省は遺伝子治療の定義を広げることで、出産につながる受精卵の改変を禁止することを想定している。

2015年体外受精 最多42万件、赤ちゃんは20人に1人(9/11)

日本産科婦人科学会が11日までに、日本で2015年に行われた体外受精についての調査結果をまとめた。
2015年に行われた体外受精は治療件数も出生数も過去最多を更新し、体外受精は42万4151件で、赤ちゃんの約20人に1人に当たる5万1001人が生まれたと報告された。

マウスで胚の成長再現=幹細胞組み合わせ培養-英大学(3/3)

英ケンブリッジ大の研究チームがマウスの受精卵が分裂増殖した胚から2種類の幹細胞を採取し、シャーレの中で組み合わせて培養することで、成長過程をほぼ再現する技術を開発したと2日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
ヒトで実現すれば、流産の原因となる胚の異常を詳しく調べるのに役立つと期待される。
この技術は、さまざまな細胞に変わる胚性幹細胞(ES細胞)と胎盤を形成する栄養膜幹細胞(TS細胞)を組み合わせて培養し、「ETS胚」に成長させる。
胚に栄養を与える卵黄嚢を形成する幹細胞がないため、胎児まで成長する心配はない。
ヒトのETS胚ができれば、成長過程を調べる研究が進むとみられる。

Staff紹介

医療事務部 (オーク梅田レディースクリニック) 木下 未来

医療事務部(オーク梅田レディースクリニック)木下 未来

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