不育症・習慣流産

 

免疫療法について

 

1981年に原因不明の習慣流産に対して夫のリンパ球を妻に皮内接種するという免疫療法が報告されました。人間の体には自分自身とは異なる他者を排除しようとする免疫の仕組みが備わっています。通常、胎児という他者に対して妊娠中母体の免疫能は低下しているのですが、繰り返す流産においては免疫学的妊娠維持機構が成立していないとみなされ夫リンパ球を移植するという免疫療法が長らく行われていました。しかし、成功例の報告もあったものの、1999年には臨床研究によるテスト(REMIS study)で無効であるという結果が示されました(Ober C. et al., Lancet. 1999 Jul 31;354(9176):365-9.)。また米国では、輸血に相当する医療行為であり、感染や対宿主移植片反応という重篤な危険性の報告もあるため(Katz I et al., Fertil Steril. 1992 Apr;57(4):927-9.)、研究目的以外には行わないことを勧告しています。

 

静脈内免疫グロブリン投与療法やプレドニゾロン(副腎皮質ステロイド剤)を使った免疫抑制療法についても、同じように比較試験で効果は認められませんでした(Porter TF, et al. Immunotherapy for recurrent miscarriage. Cochrane Database of Systematic Reviews 2006, Issue 2. Art. No.: CD000112. DOI: 10.1002/14651858.CD000112.pub2.) (Rai R and Regan L, Lancet. 2006 Aug 12;368(9535):601-11)。

 

これらをふまえて現在免疫療法は行っていません。

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